鎌倉彫は彫りと塗りに特徴があり、彫刻に適したカツラの木地に、文様を彫り、その上に漆を塗って仕上げた工芸品です。彫り模様と彫の陰影を引き出す塗りの味を生かしています。
鎌倉彫の起源は、鎌倉時代、中国から禅宗とともに伝わった漆を塗り重ねて彫刻するという堆朱(ついしゅ)・堆黒(ついこく)の影響を受け、当時の仏師や宮大工たちが、この技法で仏具をつくったのが、鎌倉彫の始まりです。 |
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彫りには様々な技法があり、数多くの技法を習得したのち、個々の作品に応用して取り入れていきます。
牡丹、菊、唐草、倶利と古典的な文様から、現代感覚のデザインによる文様に至るまで、技法を使い分け、表現します。
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塗りは「乾口塗」という独特の技法を使います。塗り上がりに立体感と落ち着きを出すために、上塗漆が乾かないうちにマコモ(イネ科の植物にできる粉末)を蒔き付けます。磨くと彫りの陰影がはっきりと表れ、重厚な模様となります。 |
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